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愛知製鋼 (2021年8月版)
本社所在地 |
〒476-8666 愛知県東海市荒尾町ワノ割1 |
設立 |
1940年3月8日 |
ホームページ |
https://www.aichi-steel.co.jp/ |
2021年3月期
資本金(連結) |
25,016百万円 |
自己資本比率 |
54.1% |
従業員数(連結) |
4,826人 |
連結事業構成 |
【連結事業】鋼カンパニー33(-3)、鍛カンパニー42(2)、スマートカンパニー8(4)、ステンレスカンパニー16(8)、他1(3)【海外】19(2021.3) |
株式上場 |
東証1部,名証1部 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
7/30終値 |
22/3期(予) |
予想 |
(連)21/3 |
実績 |
22/3期(予) |
予想 |
|
|
2,897 |
101.5 |
28.5 |
8,619 |
0.64 |
45.0 |
1.55% |
3,900 |
2,674 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
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展望
- 素材で未来づくりに貢献
- 東海市に本社を置く同社は、トヨタグループの素材メーカーであり、自動車向け特殊鋼の大手である。豊田自動織機内の製鋼部門を始まりに1940年独立、終戦後、現在の社名に改称した。51年特殊鋼メーカーとしての体制を確立、量産化とともに海外展開し、61年東証に上場した。70年代に入り電気炉メーカーへ転換、電子材料分野の礎となる非鉄分野にも進出した。
主要製品は、特殊鋼条鋼、ステンレス鋼・チタン、鍛造品、電磁品で、高品質を追求した特殊鋼を中心に、ステンレス形鋼の生産量では国内トップを誇る。同社は、鍛造品まで一貫生産を実施、車の軽量化・高性能化に対応し、ギアやシャフトでは高い競争力を誇る。第4の柱を目指す電磁品は、オンリーワンとなる高感度磁気センサ、ネオジム系ボンド磁石、HV・EV用放熱部品などを製品化している。
21年3月期カンパニー別売上高構成比(調整額除く)は、鋼(ハガネ)38.9%、ステンレス13.4%、鍛(キタエル)35.2%、スマート6.4%、その他6.1%であった。下期持ち直しや、電子部品・センサの売上増加によってスマート部門は堅調であったが、コロナ禍の影響により主力鋼材・鍛造品の需要減少を余儀なくされた。今期は、原材料価格の上昇などの厳しい環境を前提にしつつ業績回復を予想している。
同社は、24年3月期までの中期経営計画を策定した。様々な課題に対し、ステンレス、スマート部門の収益拡大を中心に構造変革を目指す。同社は、カーボンニュートラルを電力多消費型企業の生産存続の危機と捉え、脱炭素に向け本腰を入れる。生産工程の見直しや、熱効率効果向上の次世代電炉導入の検討、独自の蓄熱材や電炉の排熱を蒸気エネルギーにして利用する仕組みなど、様々な取り組みに着手している。また、鍛鋼一貫の強みを活かしたEV部品の開発・拡販、高性能磁石粉末と高強度材料を融合した CASE 部品の受注拡大、パワーカード用部品の開発・供給体制構築など、電動化に対応した部品の供給も加速する。19年にはインドの特殊鋼メーカーに出資し、内外の供給体制の弾力化に対応した。
付加価値向上を見据えて機械加工に進出、完成部品メーカーへの進化とステンレス鋼の特性で社会インフラ構築への貢献をめざす同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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