
厳しい経済環境ではじまった21世紀、皆様におかれましては資産運用に対するご関心を日増しにお感じのことと存じます。証券業を営んで120年の木村証券では、今こそ株式投資の重要性を皆様にお伝えしなくてはならないと考えております。一言に株式と申しましても、国内上場・公開企業だけでも3000社以上あり、玉石混淆のなかから見付け出すことは容易なことではございません。
「良い株式を良い顧客に持っていただきたい」という弊社の願いを込め、「三英傑シリーズ」と郷土が生んだ英雄にちなんで株式を幅広く皆様にご提供できればと存じる次第です。
三英傑の名を借りて銘柄選択の切り口を三つに分け、投資スタンスが少しでもわかりやすくなればと考えました。
-
株式投資にはタイミングが重視されます。株式相場の状況や今後の展開をふまえ、需要やテクニカルを重視しながら機会を捉えた時に原則的に選びます。
時空を超えて夢とロマンに馳せたアグレッシブ(攻撃的)な信長にちなみました。 -
投資対象を企業の成長力と位置づけ、収益価値の集約EPS(=一株当たり利益)を基準として、原則的に当数値が今後増大すると予想されるものから選びます。 日吉村の農家から太閤になった成長性にちなみました。
-
投資対象を本質価値に位置づけ、市場時勢によって過小評価されているものを本質価値の集約BPS(=一株当たり純資産)を基準として、原則的に当数値がPBR平均以下のものから選びます。徳川300年の基礎を築いた着実な安定性にちなみました。
「三英傑シリーズ」2025年8月版
信長コース | 注目ポイント |
(3402) 東レ | 合繊最大手。炭素繊維世界一。医薬、電子材料へ多角化。25/3期事業別売上収益構成比(調整額除く)繊維37.7%、機能化成品35.6%、炭素繊維複合材料11.2%、環境・エンジニアリング11.8%、ライフサイエンス2.0%、その他1.7%。低採算事業見直す構造改革と製品価格引き上げを推進。インド市場獲得めざし産業用だけでなく衣類向け拠点設置で供給網を拡大へ。 |
---|---|
(3923) (株)ラクス | メール管理国内最大手。クラウドサービスの経費精算システムを拡販。25/3期事業別売上高構成比(調整額除く)クラウド85.6%、IT人材14.4%。同クラウドサービス別売上高構成、楽楽精算41.4%、楽楽明細23.8%、楽楽販売13.2%、メール配信8.8%、メールディーラー7.4%、その他5.3%。楽楽明細導入企業数伸長(13,375社)。クラウド事業に投資資源集中。 |
(6113) (株)アマダ | 世界有数金属加工機械大手。板金は国内首位。25/3期事業別売上収益構成比(その他、調整額除く)金属加工機械(板金75.4%、微細溶接8.0%)、金属工作機械(切削・研削盤11.6%、プレス5.0%)。5月のプレス機メーカーに続き7月レーザー加工メーカー子会社化。買収による大幅増収見込む。金属の曲げ工程で使用の協働ロボット発売。相互関税は価格転嫁予定。 |
(9143) SGホールディングス | 物流大手。佐川急便は宅配2位。企業向け配送強い。25/3期事業別営業収益構成(調整額除く)デリバリー66.8%、ロジスティックス25.2%、不動産1.7%、その他6.3%。C&Fロジ、台湾モリソン連結化で増収。土産物など個人向け需要取り込み取扱増加。28/3期までの総還元性向60%以上目標。関西国際空港に国際貨物専用センター新設。国交省が置配標準化検討。 |
(9987) (株)スズケン | 医薬品卸大手。M&Aで成長。25/3期事業別売上高構成比、医薬品卸売82.7%、ヘルスケア製品開発1.9%、地域医療介護支援3.3%、スペシャリティ医薬品流通受託10.6%、医療関連サービス1.5%。希少疾患医薬品堅調続く。韓国医薬品卸大手グループと資本提携し韓国全域に供給網。春日井市に物流センター建設へ。医師向けヘルスケア商品紹介サービス開始。 |
秀吉コース | 注目ポイント |
(4118) (株)カネカ | 塩ビ大手。樹脂、食品、医薬中間体、電子材料など多角化。25/3期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)MaterialSU42.5%、QualityofLifeSU23.7%、HealthCareSU9.6%、NutritionSU24.2%(SU=SolutionsUnit)。高付加価値品の拡販進展。分解性バイオポリマーストローをスターバックス採用。血液浄化器・カテーテル好調。コエンザイムQ10海外拡販。 |
---|---|
(5020) ENEOSホールディングス | 石油元売り最大手。JXHDと東燃ゼネラルが統合。3月完全子会社JX金属を新規株式公開。25/3月期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)石油製品他92.0%、石油・天然ガス開発2.0%、機能材2.9%、電気2.7%、再生可能エネルギー0.4%。3カ年中期経営計画策定。7400億円の戦略投資で液化天然ガス権益取得や再生航空燃料の生産、脱炭素事業育成推進。 |
(6702) 富士通 | ITシステム国内首位。官公庁、金融、流通向け多い。通信インフラも。25/4-6期部門別売上収益構成比(消去・全社除く)サービスソリューション62.1%、ハードウェアソリューション31.0%、ユキビタスソリューション6.9%。DXやシステム刷新需要が伸長。デバイスは非継続に。新光電工、富士通オプティカル、FDKを譲渡。ネットワーク事業分社化で事業強化。 |
(8002) 丸紅 | 大手総合商社。25/3期事業別収益構成比(その他除く)ライフスタイル2.6%、フォレスト3.1%、情報5.1%、食料第一12.2%、同第二13.6%、アグリ18.4%、化学品7.7%、金属8.5%、エネルギー11.6%、電力6.2%、インフラ0.4%、航空・船舶2.0%、金融・リース・不動産0.7%、建機・産機・モビリティ7.1%、次世代0.7%。第一生命HDと国内不動産事業の統合完了。 |
(8304) (株)あおぞら銀行 | 旧日債銀。公的資金完済して10年。事業再編などの投融資に強み。地銀連携に注力。GMOとネット銀行開始。25/3期グループ別ビジネス収益構成比、法人営業18.5%、ストラクチャードファイナンス41.5%、インターナショナルビジネス19.6%、マーケット0.5%、カスタマーリレーション9.7%、GMOあおぞらネット10.3%。りそなとM&A融資ファンド設立。 |
家康コース | 注目ポイント |
(3116) トヨタ紡織 | 自動車用内装品・フィルター国内最大手。シートは航空機や鉄道も。2030年売上収益目標2兆2,000億円。25/4-6期地域別売上収益構成比(消去又は全社除く)日本44.4%、北中南米26.8%、中国9.6%、アジア13.9%、欧州・アフリカ5.3%。収益改善努力進捗。グローバルな増産と新製品効果期待。カバー・クッション一体型を開発し乗り心地向上。自動車関税合意。 |
---|---|
(3861) 王子ホールディングス | 国内製紙首位。印刷用紙、段ボール大手。海外へ展開。25/3期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)生活産業資材47.5%、機能材13.5%、資源環境ビジネス22.4%、印刷情報メディア16.7%。海外比率40.8%。10/1より段ボール、紙管原紙、雑種紙など3品種を出荷分から10%値上げ。自然資本会計の基準作りに参加。GPIFが採用するESG指数構成銘柄全て採用。 |
(4023) (株)クレハ | 化学メーカー。クレラップなどの樹脂や医療、炭素繊維等。PVDF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)が柱に。25/3事業別売上収益構成比(調整額除く)機能製品32.8%、化学製品17.4%、樹脂製品23.0%、建設関連12.6%、その他関連14.2%。PVDF、PGAの新グレード開発に資源を投入、新グレードの上市めざす。追加関税分は顧客へ転嫁を前提でその都度対応。 |
(4202) (株)ダイセル | 酢酸セルロース大手。合成樹脂、たばこフィルターなど特色。25/3期事業別売上高構成比(その他、調整額除く)メディカル・ヘルスケア2.4%、スマート6.3%、セイフティ16.4%、マテリアル33.1%、エンジニアリングプラスチック41.8%。自動車向けのエンジニアリングプラスチックやエアバッグ用インフレータ増産で販売数量伸長。半導体後工程向け材料投入。 |
(9076) セイノーホールディングス | 路線トラックを国内展開、最大手。自動車販売も。25/3期事業別売上高構成比(調整額除く)輸送71.8%、自動車販売16.2%、物品販売6.9%、不動産賃貸0.3%、その他4.8%。子会社化したMDロジスはじめ価格改定と効率化が寄与。ロジスティクスへの投資を拡大。開設2年以内の倉庫使用率100%とROE8%を目指す。日本郵便が行政処分後の集荷業務打診中。 |