ご案内
当社は昭和に入ってから永らく週報を刊行しており、戦中・戦後の混乱期に中断していましたが、この伝統を受け継いで、昭和33年1月企業分析等を掲載する『証券展望』を創刊しました。現在もマクロの市場動向と個別銘柄の情報提供を目的としてキムラ経済研究所より毎月編集・発行されています。キムラレポートは昭和59年より地元企業の訪問など中心にまとめられた調査レポートで、投資家の皆様方への情報提供を目的として逐次発行しています。
尚、証券展望・キムラレポートは当社営業網の本支店にお電話、又はご来店により請求できますのでご利用ください。
(株)トーエネック (2025年9月版)
本社所在地 | 〒460-8408 名古屋市中区栄1-31-23 |
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設立 | 1944年10月1日 |
ホームページ | https://www.toenec.co.jp |
2025年3月期
資本金(連結) | 7,680百万円 |
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自己資本比率 | 43.99% |
従業員数(連結) | 6,416人 |
連結事業構成 | 【連結事業】設備工事93(8)、エネルギー5(23)、他2(6)(2025.3) |
株式上場 | 東証プライム,名証プレミア |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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8/29終値 | 26/03期(予) | 予想 | (連)25/03期 | 実績 | 26/03期(予) | 予想 | ||
1,425 | 129.3 | 11.0 | 1,472 | 0.97 | 52.0 | 3.65% | 1,476 | 796 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2025年8月29日時点の会社予想。
展望
- 中部電力グループ総合設備企業
- 名古屋市に本社を置く同社は、中部電力グループで電力供給、電気、空調・給排水、情報通信設備工事をはじめ、太陽光などエネルギー事業や住宅向け設備工事を手掛ける総合設備企業。1944年東海4県下の電気工事事業者23社が合併し、東海電気工事株式会社を設立。62年名証2部に上場後、72年東証・名証1部に上場した。2001年電気通信事業を開始、07年中部電力の連結子会社を経て持分法適用会社となった。現在は、海外でも事業を展開、現地パートナー企業との協業や、ODA(政府開発援助)プロジェクトにも参画している。
2025年4-6月期部門別売上高構成比は、設備工事91.8%(配電線36.3%、地中線4.4%、屋内線37.2%、空調管8.1%、通信5.8%)、エネルギー6.3%、商品販売1.9%。中部電力グループ向けの売上高比率は、39.2%だった。同期の売上高は、屋内線工事が順調な中、Tri-En TOENEC社の連結子会社化もあり過去最高を記録、利益も採算性の向上で最高益を更新した。今期の受注、期末手持工事も前年同期より増加しており、通期でも過去最高更新が期待される。
電力グループ向けが中心の配電線と地中線工事は、電柱や電線といった配電線ルートの建設工事や、保守・メンテナンスおよび電線地中化工事のほか、一般得意先にも事務所や工場向けの特別高圧ケーブルの敷設・接続・土木工事などを手掛ける。また配電線部門は、オール電化工事などのBtoC事業や、急速充電設備工事への対応も行う。
ゼネコン、ディベロッパー、製造業などの一般得意先や官公庁、学校・医療法人向け中心の屋内線、空調管工事は、様々な建物の設備工事を企画からメンテナンスまでワンストップで手掛けるほか、通信工事では、携帯電話の基地局設備の設置・維持を行う。
同社は現在、中期経営計画方針として成長分野への挑戦、既存事業の深化、人材投資、経営基盤強化を掲げる。成長が見込まれるカーボンニュートラル、再生可能エネルギー、DX関連分野への注力と、首都圏、近畿圏、アジアエリアを重点に事業強化を図る。地盤である中部圏では、さらなる競争力を高める総合体制やバリューチェーンを強化し、ワンストップサービスの総合設備企業として、事業基盤の盤石化をめざす。
地元中部電力グループの総合設備企業として貢献し、社会と暮らしを支える使命とともに今後の成長をめざす同社に注目したい。
(戸谷慈伸)