ご案内
当社は昭和に入ってから永らく週報を刊行しており、戦中・戦後の混乱期に中断していましたが、この伝統を受け継いで、昭和33年1月企業分析等を掲載する『証券展望』を創刊しました。現在もマクロの市場動向と個別銘柄の情報提供を目的としてキムラ経済研究所より毎月編集・発行されています。キムラレポートは昭和59年より地元企業の訪問など中心にまとめられた調査レポートで、投資家の皆様方への情報提供を目的として逐次発行しています。
尚、証券展望・キムラレポートは当社営業網の本支店にお電話、又はご来店により請求できますのでご利用ください。
壱番屋 (2024年10月版)
本社所在地 | 〒491-8601 愛知県一宮市三ツ井6-12-23 |
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設立 | 1982年7月1日 |
ホームページ | https://www.ichibanya.co.jp/ |
2024年3月期
資本金(連結) | 15億327万円 |
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自己資本比率 | 70.22% |
従業員数(連結) | 1,175名 |
連結事業構成 | 【連結事業】カレー直営店31、カレーFC向63、新業態4、他1【海外】17(2024.2) |
株式上場 | 東証プライム,名証プレミア |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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9/30終値 | 25/3期(予) | 予想 | (連)24/3 | 実績 | 25/3期(予) | 予想 | ||
1,041 | 19.4 | 53.6 | 194 | 5.37 | 16.0 | 1.54% | 1,248 | 980 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2024年9月30日時点の会社予想。
※(株)壱番屋の1株純資産は、24/3期の1:5の株式分割を考慮して記載。年初来高値・安値は分割後で記載。
展望
- 食で世界を目指す
- 一宮市に本社を置く同社は、「ココイチ」で知られるカレー専門チェーン。1978年名古屋市郊外に「カレーハウスCoCo壱番屋」をオープン、81年社員への暖簾分け制度を開始し、94年には全国47都道府県下に出店、海外進出も開始した。2000年株式公開、04年東証・名証2部、翌年1部に上場し、15年にはハウス食品グループ本社の子会社となり、現在、国内1,244(うち直営127)と海外213の店舗数でカレーレストランチェーン世界一を誇る。
24年3-5月期の国内店舗売上は全店ベースで好調に推移し、客数も期間限定メニューや限定商品の販売で増加した。海外は、米国は堅調に推移したものの、中国の不採算店舗撤退や、タイ、韓国の売上減少で、前年を下回った。全体では、感染症後の人流回復で売上高は前年を上回るものの、食材等の仕入価格や、人件費・物流費等の上昇で、前年を下回る結果となった。今期は国内22、海外19店舗の純増と、8 月のメニュー価格改定で、増収増益を目指す。
同社には創業当時から続く、店舗運営を一から学び、経営能力を身につけた人材だけが独立できる社員独立制度(ブルームシステム)があり、企業理念と店舗運営のノウハウを身につけた556人(24年2月末現在)がフランチャイズオーナーとして経営にあたっている。また、変わらぬ味を提供するため、ソースは自社工場で製造、安定供給しており、ポーク、ビーフ、甘口ポークなど5種類のソースをベースに、辛さ、トッピングなどの多様なカスタマイズとメニューが特色である。
同社は、長期ビジョン2030として10の重点項目を定めており、①店の魅力向上と顧客の期待を超える変革で、各店舗の売上と客数の前年対比+1%にこだわりぬく。②各加盟店のために、魅力ある商品やFCパッケージを提案し、チェーン全体の収益底上げに注力。③多様なニーズに対応する個性ある店づくり。④これまでと異なるジャンルやメニューに挑戦、新業態の開発と展開に取り組む。⑤「ココイチ」のカレーライスと接客サービスの世界進出。⑥米などのアグリ事業への戦略的チャレンジ。⑦IT技術活用で、労働生産性向上と待遇面の継続的向上をめざす。などを掲げて、環境変化に対応しながら顧客の期待を超えた価値ある商品・サービスの提供を志向する。
カレーを中心として、積極的な海外展開をめざす同社のこれからに注目したい。
(戸谷慈伸)