証券展望・キムラレポート

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当社は昭和に入ってから永らく週報を刊行しており、戦中・戦後の混乱期に中断していましたが、この伝統を受け継いで、昭和33年1月企業分析等を掲載する『証券展望』を創刊しました。現在もマクロの市場動向と個別銘柄の情報提供を目的としてキムラ経済研究所より毎月編集・発行されています。キムラレポートは昭和59年より地元企業の訪問など中心にまとめられた調査レポートで、投資家の皆様方への情報提供を目的として逐次発行しています。
尚、証券展望・キムラレポートは当社営業網の本支店にお電話、又はご来店により請求できますのでご利用ください。

(株)北里 (2026年7月版)

【368A】(株)北里

 

本社所在地 〒416-0932 静岡県富士市柳島100-10
設立 2007年4月3日
ホームページ https://www.kitazato.co.jp/

2026年3月期

資本金(連結) 10百万円
自己資本比率 93.22%
従業員数(連結) 83人
連結事業構成 【連結事業】 医療機器100 【海外】 67(2026.3)
株式上場 東証プライム
株価 一株益(連) PER(連) 一株純資産 PBR(連) 一株配当 配当利回 年初来高値 年初来安値
6/30終値 27/3期(予) 予想 (連)26/3期 実績 27/03期(予) 予想
1,325 101.5 13.1 513 2.58 41.0 3.09% 1,975 1,155

※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2026年6月30日時点の会社予想。

 

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展望

不妊治療で少子化に取り組む
 静岡県富士市に本社を置く同社は、産婦人科不妊治療領域に特化した医療機器メーカー。1998年創業、2007年不妊治療関連機器で設立、17年合併に伴い現社名となり、25年東証プライム市場に上場した。東京と米国に拠点を置き、今期中に欧州にも設置する。社名には、北里柴三郎の志を倣う思いが込められている。

 不妊治療には一般不妊治療と高度不妊治療があり、基礎検査から始まる工程は、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精と患者の状況により様々となる。同社が注力する領域は、一般不妊治療の人工授精から高度不妊治療の体外受精や顕微授精、胚移植などの消耗品を開発・製造し提供する。とりわけ、凍結保存分野の凍結液や保存容器では、市場をリードする。

 26年3月期は、小幅な増収増益で内外とも堅調に推移した。製品区分別売上高構成比は、Media36.6%、Cryodevice28.2%、医療機器22.9%、MicroTools10.0%、その他2.3%。地域別には、日本33.5%、欧州36.5%、米国10.2%、中国6.1%、インド5.4%、その他8.3%であった。日本では不妊治療の保険適用が22年から開始、マーケティングと営業活動に注力し、堅調に推移した。欧州は、MediaとCryodeviceを中心に売り上げが伸び、米国は競合メーカー再編の中での増収となった。中国とインドについては、市場規模は大きく有望だが、安価な製品の流入など課題が残る結果となった。

 同社の主力製品Mediaは、卵子や受精卵を成長させる培養液や凍結保存に用いる液体試薬で、Cryodeviceは卵子や卵巣組織などの凍結保存に用いる器具のことである。医療機器は、卵子を採取する針や受精卵を子宮内に移植するカテーテルなどで、Micro Toolsは高度不妊治療の顕微授精などに使用するガラスやプラスチック加工の精密工業製品である。同社の製品には顕微鏡を用い、製造に難しい技術が要求されるため、生産できるメーカーは少なく、それゆえ世界的な評価が高い。

 同社は、今期も増収増益を見込んでおり、製品ラインナップの拡充や認証取得とともに、営業・販売体制の強化を推進する。国内では製品展開や営業に注力し、海外は許認可の取得を進めながら製品を投入して売上増をめざすなど、欧米での新たな取り組みを検討する。

 同社は、少子化・出生率低下という社会的課題に向き合い、妊娠率向上に向けた研究開発をはじめ、医療現場全体を支える取り組みを推進しており、今後に注目したい。


 
(戸谷慈伸)
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