(株)メイテック (2020年10月版)

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展望

ものづくりを担うエンジニア集団

　同社は、1974年7月名古屋技術センターとして設立、85年に現在のメイテックに社名変更された。87年名証2部に上場、98年に東証1部に上場し、エンジニア派遣事業の先駆者として、3月末現在、約1,200社以上の製造業企業向けに約7,000名の正社員エンジニアが、サービスを提供する国内有数のプロのエンジニア集団である。

　同社は、エンジニアの計画的キャリアアップを支援するシステムとフォローアップ体制により、業界内でも低い離職率を誇る。年齢別構成は、20～40歳代が85％以上を占めるが、正社員エンジニアとして60歳を迎える人々も毎年輩出している。

　同社のエンジニアリングソリューション事業は、設計・開発業務において、派遣型と受託型の2つのサービスがあり、顧客に最適な課題解決策を提供する。派遣型は、エンジニアを顧客に派遣、顧客側の指揮下で業務に従事するのが特徴で、労働者派遣契約の形をとりながら、技術指導やマネジメント、企画立案から実務まで、技術レベルの高い業務を中心に、様々な分野で設計・開発力強化を支援する。対して受託型は、顧客が指定した業務についての遂行・完成に責任を持って請け負うため、指揮等を同社自身が行う。

　取引先実績の内訳は、自動車・輸送機器29.9%、航空機・ロケット 6.2%、産業用機器・機械器具及び装置 14.0%、精密機器 9.4%、情報通信機器 4.8%、電気・電子機器、電気機械器具設計 10.4%、半導体・集積回路 5.3%、半導体製造装置 3.6%、情報処理、ソフトウェア開発・運用 7.7%、プラント 3.7%、建築 0.4%、その他 4.7%と多岐にわたる。

　同社は、今年を初年度とした3か年の中期経営計画を策定し、顧客とエンジニアのさらなる満足度向上を目指す。重点施策として、最上級のエンジニアリングソリューションの提供を目標に、トップ直轄で最上級のエンジニアを組織化、技術営業チームを築く。また、設計開発のデジタル化を増やし、地域毎に権限を委譲、制度や基準を迅速果断に革新する。また、オペレーションの標準化で効率を向上、デジタル化の促進を目指す。

　エンジニアの高付加価値化を訴求し、労働市場と設計、開発の両方を担う集団を目指す同社に注目したい。


（戸谷　慈伸）