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カゴメ (2020年9月版)

【2811】カゴメ

本社所在地 〒460-0003 名古屋市中区錦3−14−15
設立 1949年8月1日
ホームページ https://www.kagome.co.jp/

2019年12月期

資本金(連結) 19,985百万円
自己資本比率 53.9%
従業員数(連結) 2,504人
連結事業構成 【連結事業】国内・加工食品73(8)、同・農5(-2)、同・他1(13)、国際21(2)【海外】20(2019.12)
株式上場 東証1部,名証1部
株価 一株益(連) PER(連) 一株純資産 PBR(連) 一株配当 配当利回 年初来高値 年初来安値
8/31終値 20/12期(予) 予想 (連)19/12 実績 20/12期(予) 予想
3,295 97.9 33.6 1,219 2.70 36.0 1.09% 3,330 1,967

※1株純利益(予想)・1株純資産(実績)・1株配当金(予想)の各数値は円単位。各表示未満は4捨5入。 (連)・連結決算、(予)・予想の略

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展望

トマトの会社から、野菜の会社へ
 同社は、121年前の1899年にトマト栽培に挑んだ蟹江一太郎氏によって創業された。06年に東海市荒尾に工場を建設、トマトソースの生産を本格的に開始、17年カゴメ印を商標登録、33年にトマトジュースを発売した。63年「カゴメ株式会社」と改称し、3年後に世界初のプラスチックチューブ入りケチャップを発売した。78年東京、名古屋両取引所1部に上場、農業から生産・加工・販売と一貫したバリューチェーンを持つ世界でもユニークな食品メーカーであり、昨年末時点でトマトケチャップと野菜果実ミックスジュースの国内シェアNo.1を誇る。

 同社は現在、野菜やトマトジュース等の飲料と、ケチャップ、トマト系調味料などの製造販売を行う加工食品事業と、トマトを中心とした生鮮野菜の生産・販売を行う農事業を主力としている。また国際事業として、トマトの種子開発から生産、商品開発、加工、販売までの垂直統合型ビジネスも展開している。

 20年1-6月期の事業別売上収益構成比(調整額除く)は、国内75.5%(加工食品69.2%、農5.8%、その他0.5%)、国際24.5%であった。同社もコロナ禍の影響を少なからず受け、本年1月より開始した、キャンペーンによる広告展開で第1四半期は計画を上回ったものの、感染症拡大が影響を及ぼした。緊急事態宣言や自治体の外出自粛要請より、巣ごもり消費が加速、スーパーを中心に家庭用商品の販売が増加する一方、オフィス街立地のコンビニや業務用市場は減少した。海外は、各国政府の営業規制を含むロックダウンにより、大手フードサービス向けなどの売上げが減少を余儀なくされた。

 同社は、長期ビジョンとして25年までに「トマトの会社から、野菜の会社に。」をスローガンとしている。トマトから多彩な野菜へと取組みを拡大、サラダやジュース、調味料、またはサプリメントを提供することで、健康寿命の延伸、農業振興、地方創生といった社会課題の解決に食を通じて取り組む。同社は21年10月をめどに、長野県の野菜ジュース基幹工場を刷新、自動化設備導入で生産性、能力の引き上げ強化を図る。

 同社の90%超が個人株主であり、生活に密着する消費者でもある。食を通じて社会問題解決に取組む同社に注目したい。


(戸谷 慈伸)

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