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セイノーホールディングス (2020年5月版)
2019年3月期
資本金(連結) |
42,481百万円 |
自己資本比率 |
63.8% |
従業員数(連結) |
29,145人 |
連結事業構成 |
【連結事業】輸送75(5)、自動車販売17(4)、物品販売5(2)、不動産賃貸0(81)、他3(3)(2019.3) |
|
株式上場 |
東証1部,名証1部 |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
4/30終値 |
20/3期(予) |
予想 |
(連)19/3 |
実績 |
20/3期(予) |
予想 |
|
|
1,288 |
125.2 |
10.3 |
2,058 |
0.63 |
- |
- |
1,499 |
947 |
※1株純利益(予想)・1株純資産(実績)・1株配当金(予想)の各数値は円単位。各表示未満は4捨5入。 (連)・連結決算、(予)・予想の略
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展望
- 企業価値向上に弛まぬ努力
- 「カンガルーのセイノー」で知られる同社は、本社を岐阜県大垣市に置く路線トラックの業界最大手である。55年西濃運輸に商号変更し、2005年輸送事業とその他営業を設立会社に承継し、純粋持株会社体制に移行、現在のセイノーホールディングス株式会社へ商号変更した。
西濃運輸を中核とした輸送事業を中心に、連結子会社83社、持分法適用関連会社6社、非連結子会社及び関連会社16社(19/9現在)で構成され、19/4-12月期売上高4,740億円に対する事業別売上構成比(調整額除く)は、輸送69.4%、自動車販売16.9%、物品販売7.7%、不動産賃貸0.2%、その他5.7%であった。
輸送事業は、都市間路線便をダイヤグラム化し、顧客への時間価値の提供やニーズに応じた運送方法を提案、新規の獲得や継続した取扱貨物の確保に努めている。また、ハンディターミナルとスマートフォンGPSを活用、配達先チェックシステムの運用も開始した。電話番号や電子サインの取得位置管理により、以後の同配達の効率化を図る。そして蓄積されたデータを活用し、自動で最適なルート設定や、ナビ誘導で、不慣れなエリアやドライバーでも配達業務がスムーズに行える体制づくりを実施している。
現在は鉄道輸送に加え、有明(東京)、敦賀(福井)から九州行貨物フェリーによる運行を開始、長距離路線便の一部を鉄道やフェリーに切り替え、モーダルシフトの拡大も注力している。
業界の問題点である労働人口減少に対応するため、福利厚生充実や、GW・お盆・年末年始を含む長期休暇を導入、働き方改革で労働時間の短縮や業務負担軽減に努める。
昨年末、子会社が提案した「商流・物流データプラットフォーム(地域型モデル実証実験)」が、内閣府の「スマート物流サービス」の研究開発項目として選定。メーカーからの出荷データと、運送会社からの車両の空きスペース情報をマッチングし、会社の枠を越えた融通で、車両積載を最大化する配車実験を実施する。成功すれば、物流供給量に合わせた生産活動と物量の波のコントロールで、安定した輸送の提供を可能にするとしている。
企業価値向上を目指す、同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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