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日経平均株価7万円を目指して (2017年2月版)

株価は何に連動しているのであろうか。過去の様々な統計データと主要平均株価の値動きを考察した場合、日本の東証株価指数(TOPIX)は、名目GDPの伸び率に連動していると思われる。TOPIXとは、東京証券取引所が算出・公表しており、東証第1部上場のすべての日本企業の時価総額(株価×発行済株式数)を指数化したものだ。名目GDP(国内総生産、内閣府発表の各時点の数値)は、国内の付加価値の合計であり、GDPは賃金や企業利益、税収の伸び率との連動性が高く、重要な経済指標になっている。

 

TOPIXは名目GDPの伸び率に連動している事に最初に気がついたのは2005年であった。同年11月19日に開催された日本金融学会中部部会の研究報告において、「1970年末から04年末のTOPIXの上昇率は7.7倍、同期間の名目GDP(暦年)の伸び率は6.9倍になり、連動倍率は1.1倍になっている。「株価とは短期的には極めて非効率な動きをするが、長期的には名目GDPの伸び率に概ね連動している。~中略~『長期投資の優位性』を投資家にアナウンスする必要性。長期投資家が定着する効率的市場の構築が不可欠な要素」と報告している。

 

その後、基点を1966年末とし、同年末から06年末にかけて、米国のS&P500種株価指数(米国市場に上場の主要500社の株価指数)とTOPIXの上昇率は両国の名目GDPの伸び率にほぼ連動しているとして、当コーナーの07年11月号等でご紹介しており、08年3月29日の金融学会中部部会でも同様の主旨の研究報告をしている。株価は常にドラマチックであり、その時々の経済情勢や『話題』に翻弄され、激しく上下するものだ。

 

1966年以降、2度にわたるオイルショックによる物価や金利の急騰、81年に就任したレーガン米大統領による厳しい内需拡大要求に対応するための大金融緩和政策、それにより発生した89年末にかけての土地や株式等の異常な資産バブル、その後始末は98年や02~03年の金融危機まで引きずる事になった。08年にピークを打った人口減の追い打ちも絡んで、日本経済の長期停滞は現在も完全脱出には至っていない状況だ。この間、米国では2000年のITバブルの崩壊、100年に1度の金融危機といわれた08年9月のリーマンショックと激変の連続であった。

 

1966年の日本の名目GDPは38兆円、同年末のTOPIXは111.41になっている。16年7~9月期の名目GDPは537兆円(66年比14.1倍)、TOPIXの今年高値(1月5日終値)は1,555.68(同14.0倍)になり、66年末から現在までのTOPIXの上昇率はGDPの伸び率にほぼ連動している。日本の株価はGDPの伸び率に対して、大きく上下にかい離を反復しながら、GDPの伸び率に連動したラインに収束しており、50年間のデータは相応の重みがあるといえる。

 

米国第一主義を声高に唱えるトランプ氏が米国大統領に就任している。識者の間では同氏の発言はナチスを率いたヒトラーを連想するとの酷評もある。また、英国のEU離脱問題や中国経済の減速など今年も例年通り懸念材料は山積みという状況だ。トランプ氏は通商問題等でかなり厳しい要求を日本にしてくる可能性が高く、株価も大きく変動するであろう。しかし、前述のように株価とGDPには一定の連動性があり、これは筆者の株価予測の羅針盤の一つになっている。自分なりの羅針盤を持っていればトランプ発言等で、相場への過度な脅えも払拭されると推察したい。

 

15年2月号の当コーナーで触れているが、TOPIXベースのEPS(TOPIXを平均PERで割った想定の1株利益)は71年末から、07年末まで年率約5%上昇している。また、68年~08年のS&P500対象企業の平均PER(年末最終週)は17.6倍になっている。過去のデータからEPSの伸び率を「5%」、PERは「17倍」に設定して、長期の株価予測を試みたい。1月25日時点(本稿執筆時)の日経平均株価ベースの予想EPSは1,171円になっている。

 

EPSの伸び率が毎年5%上昇した場合、26年後の同EPSは4,162円になり、PER17倍を適用すると日経平均株価は「70,759円」になる。米国のNYダウは82年8月の776ドルが、17年1月25日の20,068ドルまで34年間余で約26倍になっている。日本も米国のようにEPSの伸び率に応じて株価も上昇する土壌が浸透しつつあり、日本の株式市場は大きな夢と可能性を秘めていると思われる。

 

(北川 彰男)

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