スター精密 (2025年4月版)
本社所在地 | 〒422-8654 静岡市駿河区中吉田20-10 |
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設立 | 1950年7月6日 |
ホームページ | https://star-m.jp |
2024年12月期
資本金(連結) | 12,721百万円 |
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自己資本比率 | 79.80% |
従業員数(連結) | 1,642人 |
連結事業構成 | 【連結事業】特機21(7)、工作機械79(10)(2024.12) |
株式上場 | 東証プライム |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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3/31終値 | 25/12期(予) | 予想 | (連)24/12期 | 実績 | 25/12期(予) | 予想 | ||
1,938 | 126.1 | 15.4 | 2,327 | 0.83 | 70.0 | 3.61% | 2,179 | 1,635 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2025年3月31日時点の会社予想。
展望
- ニッチ戦略を貫く
- 静岡市に本社を置く同社は、小型精密加工と組立技術を強みに、工作機械事業と特機事業の企画から販売までを行う。1950年腕時計やカメラ部品の製造で創業、65年に現社名となり、76年CNC自動旋盤の製造・販売を開始、翌年には米国へ進出した。79年小型プリンターを製品化し、81年名証、90年東証1部に上場した。いち早くから世界に進出し、成長かつニッチな市場を中心に事業展開する。
2024年12月期の事業別売上高構成比(調整額除く)は、特機事業20.6%、工作機械事業79.4%。地域別は特機が国内22.5%、アジア7.0%、欧州26.6%、米州43.9%。工作機械は国内7.8%、アジア43.4%、欧州28.4%、米州20.4%であった。前期は、主力の小型プリンターや、CNC自動旋盤の売り上げがアジア市場を除いた米欧で減少し、苦戦を強いられた。今期は、内外とも需要の回復を想定し、増益を見込む。
高機能化の進む自動車や小型化が進むデジタル機器などの各種先端製品にとって、高精度と小型化が不可欠となっており、CNC自動旋盤に代表される同社の工作機械は、そのニーズに応えている。また、小型プリンターやカードリーダーライターは、ユーザーそれぞれの販売形態に対応、美しくて見やすい高速印字が評価されている。同社の強みは、長年にわたり微細で高精度な加工が要求される部品づくりを追求していることと、その技術を活かした製品が、様々な分野で世界のユーザーに使用されていることである。同社は、いち早く海外生産拠点の整備を進め、約60年間で北半球中心に工場と販売拠点を拡大、各国に販路体制を整えている。
同社は現在、中期経営計画の第二段階として「変革の推進」に取り組む。2030年を最終年度として売上高1,000億円、営業利益200億円の目標を掲げ、工作機械を柱に特機事業の高収益体質への回復と、メディカル事業などの新規事業育成をめざす。第二段階では、工作機械事業の中心であるスイス型自動旋盤技術の強化とともに医療分野拡大に注力、製品の拡充と生産工場増強をはかる。また特機事業では、生産拠点の集約と販売体制見直しをはかり、新規事業はメディカル(医療機器)事業立ち上げとスタートアップと連携でバリューチェーン構築と新技術を模索、並行してM&Aを含む戦略投資の推進で、早期の事業立ち上げをはかる。
今後も、精密部品加工で鍛えた技術で世界に挑む、同社に注目したい。
(戸谷慈伸)