OSG (2025年5月版)
本社所在地 | 〒442-8543 愛知県豊川市本野ケ原3-22 |
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設立 | 1938年3月26日 |
ホームページ | https://www.osg.co.jp |
2025年11月期
資本金(連結) | 13,044百万円 |
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自己資本比率 | 64.77% |
従業員数(連結) | 7,674人 |
連結事業構成 | 【連結事業】ねじ切り工具33、ミーリングカッター19、ドリル他切削工具30、転造工具7、測定工具1、他10【海外】68(2024.11) |
株式上場 | 東証プライム,名証プレミア |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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4/30終値 | 25/11期(予) | 予想 | (連)24/11期 | 実績 | 25/11期(予) | 予想 | ||
1,692.5 | 170.8 | 9.9 | 1,962 | 0.86 | 60.0 | 3.55% | 2,092.5 | 1,454.0 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2025年4月30日時点の会社予想。
展望
- モノづくりを支える総合工具メーカー
- 豊川市に本社を置く同社は、金属に穴を開けるドリル、金属の表面加工を行うエンドミル、ナットの内側のネジ山を切るタップなど、モノづくりに欠かせない各種工具の総合メーカー。1938年タップ、ダイスの製造販売で創業、63年現在の社名に改称し、翌年名証2部、81年東証・名証1部に上場した。68年米国に現地法人を設立後は、世界33ヶ国に製造・販売・技術サポート拠点を築き、高品質・高性能な製品とサポート体制を提供する。
24/12〜25/2月期の地域別売上高構成比(調整額除く)は、日本40.7%、米州18.9%、欧州・アフリカ19.1%、アジア21.3%。同期の品目別では、切削工具(ねじ切り工具32.4%、ミーリングカッター18.3%、ドリル他切削工具31.0%)、転造工具7.4%、測定工具1.4%、その他9.5%であった。同期は増収だが、欧米の景況感悪化により減益となった。国内は、エネルギープラントからの受注や価格改定で増収増益となり、アジアでは、中国が景気刺激策により回復基調、インドは好調を持続している。米州は航空機やエネルギー向けを除いて全体的には厳しく、欧州はドイツを除いて堅調であった。
同社は、工具材料となる丸棒、丸棒を工具に加工する生産設備、工具の耐久性を高めるコーティングなど、これらすべてを独自に開発・製造する。材料、刃先形状、コーティングの組み合わせなど、加工の周辺技術も内製化することで、高付加価値製品を開発・提供している。拠点の世界展開によりユーザーからの評価も高く、創業以来の製品であるタップは、世界トップのシェア(約30%)を誇る。
同社は現在、中期経営計画のステージ2をスタートしており、引き続き収益性向上に取り組むとともに、財務資本政策にも注力し資本効率の向上を図る。収益性向上の取り組みとして、高付加価値製品や微細・精密加工向け工具の売上拡大とともに、生産性等の原価改善や製品価格の見直し、BSマネジメント施策を実施する。主力事業のタップは世界シェア40%をめざし、転造ではグローバル展開を加速して売り上げ倍増を狙う。注力事業として微細・精密加工用工具の新製品を投入、レンズをはじめ既存産業以外の開拓と売上拡大を図るとともに、高付加価値のコーティングビジネスにも注力する計画である。
世界のモノづくりに不可欠なエッセンシャル(不可欠な)・メーカーをめざす、同社に注目したい。
(戸谷慈伸)