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(株)東海理化 (2023年9月版)
2023年3月期
資本金(連結) |
22,856百万円 |
自己資本比率 |
60.81% |
従業員数(連結) |
20,006人 |
連結事業構成 |
【連結事業】HMI製品38、スマートシステム14、シートベルト14、シフトレバー11、キーロック6、コネクタ2、自動車用ミラー他15【海外】66(2023.3) |
株式上場 |
東証プライム,名証プレミア |
株価 |
一株益(連) |
PER(連) |
一株純資産 |
PBR(連) |
一株配当 |
配当利回 |
年初来高値 |
年初来安値 |
8/31終値 |
24/3期(予) |
予想 |
(連)23/3 |
実績 |
24/3期(予) |
予想 |
|
|
2,281 |
142.3 |
16.0 |
3,037 |
0.75 |
64.0 |
2.81% |
2,325 |
1,378 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2023年8月31日時点の会社予想
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展望
- 中期計画達成をめざす
- 丹羽郡大口町に本社を置く同社は、自動車用各種スイッチ、キーロックなどのトヨタ系部品メーカー。1948年創業、61年東証・名証2部に上場し、モータリゼーションの到来とともに、豊田工場、音羽工場を増設し業容を拡大、78年には東証・名証とも1部となった。80年本社を移転、86年米国を皮切りに海外進出を果たし、2000年以後は中国、南米、欧州など世界16カ国に展開する。また、車いすテニスの小田選手が所属、社会人野球などのスポーツ活動でも有名である。
23年4-6月期製品別連結売上高構成比は、HMI(ヒューマン・インタフェースシステム)製品38.8%、シートベルト13.9%、スマートシステム13.3%、シフトレバー11.6%、キーロック5.3%、自動車ミラー2.6%、コネクタ1.9%、ステアリングホイール1.7%、農機建機3.2%、その他7.7%。所在地別(連結調整除く)では、日本43.4%、北米22.1%、アジア27.5%、欧州・南米7.0%。トヨタ及びトヨタ関連向けは、74.4%を占めており、今期は過去最高の売上高予想とともに、設備投資の増額も予定する。
同社が昨年策定した中期計画では、2030年売上高6,000億円超をめざす。25年度の中期売上目標(5,200億円)は、戦略製品の受注確保や北米、インド市場の新規拡販による達成を見込み、年内にもメキシコ工場の増築を完了、25年にはインド北部と秋田県横手市に新工場を稼働する予定である。
戦略的には既存分野を重点に置き、HMI部門ではコラム・インパネ周辺スイッチや、シフトバイワイヤなどの開発に注力する。現時点で、海外メーカーの新規受注も獲得、電動化コックピット向けスイッチの開発など車の進化にも対応する。キーシステムでも、OEMをはじめ、デジタルキーやボディ制御系ECU(電子制御コンピュータ)を受注、中核としての育成をめざす。新規事業では、無人レンタカーサービスや社用車DXサービス、eスポーツ向けキーボードなどを立ち上げている。
また、半導体やECU事業の拡大も重点領域とする。半導体では、少量多品種の領域に事業機会を見つけ、様々な相手にカスタムICの外販や市場開拓を行い、ECUは周辺分野開発の強みから、製品や用途に合わせた低コスト、小型化で多様なニーズの拡大をはかる。資本分野でもROE8.0%以上を目標に置き、従前以上の株主還元を検討する。
中期計画で売上高6,000億円超をめざす、今後の同社に注目したい。
(戸谷 慈伸)
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