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日経平均株価4万円への道 (2014年8月版)

日本銀行が年率2%のインフレターゲット政策を採用している。なぜ、このような政策が採用されたのであろうか。それは、日本の異常な財政赤字を解決するためには名目GDP(国内総生産)を拡大し、税収を増やす以外に解決に導く方策がないからだと推察している。同問題には次号以降で折に触れて述べる事にして、今月号ではインフレターゲット政策が結果において何をもたらすのか。それに対して、どのように対応する必要があるのか。この2点に絞ってご案内したい。

年率2%の消費者物価指数(CPI)の上昇率は容易に達成できないと多くのエコノミストが指摘しているが、果たしてそうであろうか。中央銀行が年率2%のCPI上昇率を目指すと公言している以上、毎月集計されるCPIの統計数値を観察しながら、年率2%の目標を達成するために相応の金融緩和をすれば良い問題であろう。

それでは、なぜ、長期間にわたって日本の物価は停滞していたのであろうか。一つは高すぎた土地の価格の調整が必要であったからであろう。1989年頃には日本の土地の時価を合計すれば国土面積が約25倍の米国の土地を5つも6つも買えると言われていた。内閣府の推計による日本の土地の総額は90年末で約2477兆円であったが、12年末では約1143兆円まで急減しており、凄まじい資産価格の下落が一般物価の押し下げ要因につながったと思われる。

今一つの要因は米国に対する日本の膨大な貿易黒字を是正するために円高ドル安の圧力が発生していたからであろう。円高が進行する事により、日本のドルベースの賃金は押し上げられるが、それにより、国内の円ベースの賃金は抑制される事になる。物価に対する賃金の影響力は大きく、地価の激落との相乗効果もあり、日本は賃金も物価も上昇しないデフレ経済の状況が定着したと推察している。

しかし、日本の全体の貿易・サービス収支はすでに13年(暦年)で12兆2349億円の大幅な赤字になっている。同年の対米貿易・サービス収支は4兆6810億円の黒字になっているが、17年以降は米国のシェールガスが日本に輸入される計画だ。日米の貿易不均衡は大幅に改善する見通しであり、米国にも一定のドル高円安を許容する下地は整ったといえる。また、米国では年内に量的金融緩和は終了し、来年にはゼロ金利も解除になる予想であり、日米の金利差拡大から中長期的に緩やかなドル高円安が継続していくと思われる。

日本貿易振興機構のデータによれば日米のワーカー(一般工職)の月額賃金(13年12月~14年1月調査、ドル換算レートは14年1月6日の日銀発表の中心相場、1ドル=104円69銭)はニューヨーク・2980ドル、ロサンゼルス・2650ドル、大阪・2701ドル、東京・2523ドルと現状ではほぼ平準化している。今後は米国の賃金が上昇すれば日本の賃金も上昇し、それに応じて物価も上昇する経済状況が定着していく事が予想される。

米国では今年6月までの20年間で消費者物価指数(除く食品・エネルギー)は52.5%(年率2.1%)上昇している。日本も米国のように年率2%のCPI上昇率が続いた場合、年率2%でも10年間継続すれば現状からの物価上昇率は「22%」になり、20年間では「49%」、30年間では「81%」になる。

1971年~2007年の東証株価指数ベースのEPS(1株利益)は年率4.9%の伸びであった。市場のグローバル化を考慮すれば日本の上場企業のEPSが年率5%の伸びを維持する事は可能とみたい。直近の日経平均株価ベースの予想EPSは1035円ほどで推移している。同EPSが今後17年間、年率5%の上昇を継続した場合、日経平均のEPSは2370円以上になる。PERを17倍(米S&P500の68年から08年の年末最終週の平均PER17.6倍を参考)で計算すれば日経平均株価は17年後には4万円を突破する事も可能であろう。主要平均株価に連動する投資信託等を長期間保有し、インフレへの資産防衛策を考慮する必要があると推察している。

(北川 彰男)

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