朝日インテック (2025年8月版)
本社所在地 | 〒489-0071 愛知県瀬戸市暁町3-100 |
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設立 | 1976年7月8日 |
ホームページ | https://www.asahi-intecc.co.jp |
2025年6月期
資本金(連結) | 18,860百万円 |
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自己資本比率 | 18.92% |
従業員数(連結) | 9,639人 |
連結事業構成 | 【連結事業】メディカル89(24)、デバイス11(18)【海外】84(2024.6) |
株式上場 | 東証プライム,名証プレミア |
株価 | 一株益(連) | PER(連) | 一株純資産 | PBR(連) | 一株配当 | 配当利回 | 年初来高値 | 年初来安値 |
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7/31終値 | 25/06期(予) | 予想 | (連)24/06期 | 実績 | 25/06期(予) | 予想 | ||
2,364.5 | 41.7 | 56.8 | 557 | 4.25 | 24.2 | 1.02% | 2,827.5 | 1,905.0 |
※1株益、1株純資産、1株配当金は円単位。各表示未満は4捨5入。(連)連結決算、(予)予想の略。
※1株純利益(赤字&未発表・非表示)、1株配当金(通期配当金額、未発表・非表示)は、2025年7月31日時点の会社予想。
展望
- オンリーワン技術で医療に貢献
- 瀬戸市に本社を置く同社は、ガイドワイヤーはじめカテーテル治療に不可欠な医療機器を中心に、さまざまなステンレスワイヤーの開発・製造・販売を行う研究開発型医療機器メーカー。1976年創業、88年現社名となり、91年メディカル開発部門を立ち上げた。翌年には厚生省から医療用具製造の認可を受け、国内初の心筋梗塞治療用PTCAガイドワイヤー及び、ガイディングカテーテルの製品化に成功した。その後、海外進出とともに同省より医療用具輸入販売の許可を取得、事業を拡大した。2004年店頭登録の翌年には、東証・名証2部に、18年に1部昇格し、22年プライム及びプレミア市場へ移行した。カテーテル治療は、現在、低侵襲治療(手術や検査、治療時の痛みや出血、発熱を少なくする治療)として注目されており、同社の主力製品PCIガイドワイヤーは、現在世界110を超える国と地域で展開、症例数の増加とともに世界トップシェアを確立している。
24/7-25/3月期事業別売上高構成比(調整額除く)は、メディカル80.6%(循環器61.0%、非循環器13.8%、OEM5.8%)、デバイス19.4%(医療部材12.8%、産業部材6.6%)。同地域別では、日本15.3%、北米21.7%、欧州20.1%、中国25.6%、その他17.3%であった。主力メディカル事業は、全地域でシェアを拡大し、為替の影響も含め増収となった。国内は、循環器系と非循環器の末梢血管系や脳血管系が好調に推移した。循環器系は、全地域でPCIガイドワイヤーや貫通カテーテルが、非循環器系は、中国で脳血管系が米国で腹部血管系が好調だった。
同社の強みは、部品を外注する他の医療機器メーカーとは異なり、現場主義にこだわることで他社が真似できないスピードと試作対応力で、素材から製品までを一貫生産体制で対応するところである。また、同社独自の高度技術により伸線、ワイヤーフォーミング、トルク、樹脂コーティングを製品化しており、そのなかでもカテーテル製品におけるトルク技術は、手術の成否を左右する重要な技術として、スムーズでブレのない操作性を確立、医師の繊細な手の感覚をそのまま先端に伝えることができる。
同社は、カテーテル治療の症例数が増加する新興国へ展開を拡大するとともに、グローバル規模で不可欠な製品の供給を目指している。医療のオンリーワン技術で成長する、同社の今後に注目したい。
(戸谷慈伸)