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中長期の株価予想 (2015年2月版)

1月号の当コーナーで、「今年の株式市場の見通し」について述べているが、今月号では「中長期の株価予想」について述べたい。

今後、数年間の株価見通しについては強気でみているが、中期的には警戒が必要だと推察している。1964年10月に開幕した東京オリンピックの開催地が選出されたのは59年5月26日になるが、日経平均株価(終値ベース)は同日の「786円17銭」から、61年7月18日の「1829円74銭」まで短期間に急上昇している。その後は停滞相場が長期化し、65年7月12日、1020円49銭まで下落して底値を付けている。

株式市場には先行性があるため、誰の目にも明白に見える材料は数年前に織り込んでしまうのが、過去の通例である。先行人気が独走して株価を短期間に過熱させてしまうのではなく、やっと本格的に浮上した現在の上昇相場をじっくりと大事に育てる事で、長期にわたる資産効果を創出していく事が、日本経済再生の最短の道になると推察している。

株価の長期の予測に関しては強気でみている。これは当コーナーで何度もご案内している事だが、89年末の平均PER(株価を1株当たり利益で割った数値、実績ベース)は、東証1部上場企業で「70.6倍」、米国のS&P500指数採用企業で「14.7倍」であった。現状の日米の主要平均株価に採用されている企業の平均PERは「15~17倍台」で推移しており、PERの『平準化』は既に終了している状況だ。

日本の株式市場はPERという投資家の期待値の膨張、収縮で上下するのではなく、米国の株式市場のように企業が利益を伸ばし、投資家が受けとる配当金も増える事で付加価値が向上し、株価も上昇する「一般の方々に分かりやすい市場」が現状では構築されていると思われる。そのような市場を長期にわたって継続できる条件が、既に整っている事が相場を強気でみている最大の理由である。

株価は「EPS(1株当たり利益)にPERを掛ける」事で算出される。これにより、「PER」という投資家の期待値と「企業利益の平均の伸び率」の水準が設定されれば株価の長期予測は可能になると思われる。問題は、その二つの変数をどの水準に設定するかであろう。株価は短期的には極端な値動きをする事が多いため、日米の主要平均株価の長期間にわたるデータを参考にPERと利益の伸び率の合理的な水準の設定を試みたい。

東証株価指数(TOPIX)は東証1部上場企業を対象とした指数である。TOPIXは71年末で「199.45」であり、同時点の平均PERは「14.9倍」であったことから、TOPIXベースのEPS(TOPIX÷PER)は「13.39」になる。同様に07年末のTOPIXは「1475.68」、PERは「19.5倍」になり、TOPIXのEPSは「75.68」になる。36年間のデータで同EPSは「年率4.93%」の伸び率を実現している。この期間に日本の「土地価額と株式時価総額」(内閣府と東証の資料より)はピークから、07年末にかけて1301兆円も下落している。この増益率はそれを跳ね返して達成したものであり、EPSの伸び率を『5%』に設定しても無理のない数値であろう。

次にPERの水準だが、日本の株式市場は89年末まで土地などの資産価格の上昇に押し上げられていた要素が大きく、高PERの長期化で参考にならない事から、米国の指数を参考にしたい。米国市場に上場する主要500社の平均株価であるS&P500に採用されている企業の1968年~08年の平均PER(年末最終週ベース)は「17.6倍」になっている事から、PERの水準は『17倍』で設定する事が妥当な水準だと推察される。

1月26日時点(本稿執筆時)の日経平均株価ベースの予想EPS(概算)は1137円になっている。EPSの伸び率が毎年5%上昇した場合、15年後の同EPSは2364円になり、PER17倍を適用すると日経平均株価は「40193円」になる。米国のNYダウは82年8月の776ドル92セントが、14年12月の18053ドル71セントまで32年間余で23.2倍になっている。長期でみれば企業利益の伸び率に応じて株価も上昇する分かりやすい市場を構築していく事が、株式市場の長期的な発展には不可欠な要素であろう。

(北川 彰男)

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